ウッドピタの地震防災コラム

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防災2020年3月30日

新生活は地震対策を見直すチャンス!

新生活は地震対策を見直すチャンス!

こんにちは。
春を迎えて気分も新たに───といきたいところですが、
新型コロナウィルスのために落ちつかない日々が続きますね。
社会の雰囲気も新型コロナ一辺倒で、地震に対する危機意識がちょっと薄れがちに…。
そんな折、3月11日に東日本大震災から9年目を迎え、気持ちを引き締めたところです。
4月になれば新しい場所で新生活を送る方々も多いと思います。
そこで、今回は『引っ越しを機に、わが家の地震対策を見直してみましょう!』というお話です。

目次:

↓ 入居する前に、まずは家具で地震対策!

↓ 非常用バッグは入居当日から使えるように!

↓ 家族でいっしょに確認したい地震対策

↓ 面倒がらずに、単身者もきちんと対策を!

↓ これから新居を探す人の注意点

↓ 新生活は地震対策を見直すチャンス!・まとめ

入居する前に、まずは家具で地震対策!

ご自宅を新築された方も、転勤や進学で引っ越しをされる方も、新居での生活は何かとワクワクしますね。
さあ、家具を運び込んで、新生活をスタート!……と、ちょっと待ってください。
家具の位置はどうやって決めましたか? 地震が起きた時に、安全な配置になっていますか?
そうなんです。新生活が地震対策を見直すチャンスになるというのは、引っ越しで家具を移動するからなのです。
家具による地震対策は主に次の2点があります。

家具を安全に配置する

固定をしていない家具は、震度5弱あたりから、移動したり倒れたりすることがあります。阪神淡路大震災では家具の転倒による圧死も数多くありました。
寝る場所や、座る場所の近くには、なるべく家具を置かないようにしましょう。
寝ている時に家具が倒れてきては逃げようがありません。寝室に家具を置くにしても、倒れやすい背の高い家具や、持ち上げられないような重い家具は避けたいものです。
また、玄関へ逃げようとした時に、リビングやダイニングなど、通り道の部屋で家具が転倒して道を塞いでしまうかもしれません。逃げる時の動線を考えて、家具の配置を決めましょう。

震度と家具
地震と家具

※気象庁の「震度と揺れなどの状況」から家具に関する部分を抜粋

廊下には家具類を置かない

家具の安全性を高める

ずいぶん周知されてきたと思いますが、転倒防止器具で家具を固定すれば、けっこう安全性がアップします。
テレビなども、倒れたり、揺れ方によってはジャンプすることもありますから、ゴムやジェル状の耐震シートなどで固定したいですね。
家具が転倒したり、ピアノのように重量のある家具が移動したりして、窓ガラスを割ってしまうことも考えられます。家具の固定はもちろん、窓ガラスや家具のガラス扉などに飛散防止フィルムを貼るのも、安全性を高める一手です。

家具の防災対策については当コラムでも以前にご紹介しています。そちらもぜひご覧ください。

→ 大掃除とご一緒に! 年末の防災対策

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引っ越しは、災害時に避難所へ持って行く非常用バッグや、在宅避難のための備蓄品をチェックするのにもよい機会です。
でも、もしかして「引っ越しの片づけをして、落ち着いたらチェックするよ」なんて思っていませんか?
災害は人の都合に合わせてはくれません。いつ起きるかわからない災害が相手だからこそ、事前にきちんと準備をして、引っ越した当日から使えるようにしておきたいものです。
非常用バッグは玄関の近くに、備蓄品の食料などは保管する場所を決め、家族みんなで確認しておきましょう。

備蓄品については当コラムでも以前にご紹介しています。そちらもぜひご覧ください。
→ 非常食は日常食?! 備蓄品の更新を忘れないために

内閣府が行った防災に関する世論調査(平成29年度)より
大地震が起こった場合に心配なこと トップ5

家族で一緒に確認したい地震対策

新居に落ち着いたら、できるだけ早く以下の対策をしておくことをおすすめします。

新居の地理的条件を確認する

海や川に近い低地なのか。山が近いのか。津波の危険性は? 土砂崩れの危険性は?
市区町村で出しているハザードマップを活用し、何に警戒しなくてはいけないのかを知っておきましょう。

避難場所の位置を確認する

初めての土地ならこれは必須です。自治体が決めている避難場所を調べ、地図上だけでなく、実際にその場所まで家族みんなで歩いてみましょう。ルート上に倒れやすい塀はないか、落ちてきたら危険な看板はないか、チェックします。さらに、災害時には倒木や建物の倒壊で道が塞がれ、通行できない場合もあります。一つのルートだけでなく、う回路も調べておきましょう。

避難場所 看板
※内閣府「防災情報のページ」JIS Z9098データ集より

地域の防災対策を知る

一般的な防災対策だけでなく、その地域独自の防災対策を立てているところもあります。自治体の防災アプリや防災ハンドブックなどを入手しておくと、いざという時の行動に役立ちます。また、長く住んでいる近所の人にどんな行動をとるべきかを聞いてみるのもいいでしょう。

自治体の防災アプリ

家族の行動を決めておく

地震が起きた時、家族は別々の場所にいるかもしれません。学校にいたら、会社にいたら、通学・通勤の途上だったら…と、日常いる場所からの避難行動を家族全員で共有しておきましょう。行動がわかっていれば、別々の避難場所にいることになっても、安否確認がしやすくなります。

家族それぞれの連絡先を確認する

新居に移るということは、ほとんどの場合、勤務先や学校なども新しいところになります。携帯電話やスマートフォンが通じない場合のことも考え、それぞれの連絡先を家族で共有しておきたいものです。その際、災害用伝言ダイヤルなどの利用方法も改めて確認しておきましょう。

単身者も面倒がらずに、きちんと対策を!

さて、ここまで家族単位のお話として書いてきましたが、単身赴任や進学などで一人暮らしを始めた人にも、ぜひ参考にしてほしいと思います。
と言うのも、家族がいっしょなら、協力したり、励まし合ったりできますが、単身者は基本的に自分だけが頼りです。だからこそ、普段からの備えはきちんとしておくこと! 「自分一人なら何とかなるさ」なんてもってのほかですよ!

これから新居を探す人の注意点

新居を探すとなると、どうしても交通の便やショッピング環境など利便性に目が行きがちですね。
大雨の時はどうかとか、地震が起きたらどうなるかとか、日常でないこともどうか忘れないで!
これから新居を探すなら、防災面のチェックもしっかりしましょう。

地理的条件を確認する

これは前項「家族といっしょに確認したい地震対策」にあるのと同様で、該当の市町村のハザードマップなどで確認し、できれば災害リスクの少ない土地を選びましょう。

住宅の耐震性を知る

自分が施主となって建てる場合は、耐震強度など住宅の耐震性を設計士に確認できます。
既成の住宅(中古を含む)を購入する場合は不動産屋か売り主に、賃貸なら仲介業者や貸し主に確認します。
築何年の物件か。現在の耐震基準をちゃんと満たしているか。耐震補強工事が施されているのか。そういう疑問点にきちんと回答がない物件は、あまり防災に気を使っていないと思われます。

耐震基準などについては当コラムでも以前にご紹介しています。そちらもぜひご覧ください。

→ カテゴリー「耐震補強
→ カテゴリー「耐震診断

新生活は地震対策を見直すチャンス!・まとめ

今回は当コラムで以前ご紹介したテーマもからめながら、新生活でできる地震対策をまとめてみました。
東日本大震災の時に「津波てんでんこ」という言葉が注目されたのをおぼえていますか。
「津波が来たら、各自がてんでんばらばらに一刻も早く高台に逃げて、自分の命を守れ」という意味で、
三陸地方沿岸部に伝わる災害の教訓です。その土地ならではの一種の危機管理と言えるでしょう。
どの地域でも、地形や気候などによる教訓はあるはずで、
自治体が把握していたり、古くから住んでいる人々の経験談として残っていたり。
新しい土地に住むようになったら、地元の人々と積極的にコミュニケーションを取り、
地域の歴史を調べてみるのも、防災の一環になると思います。
そうしていくうちに、その地域に溶け込み、やがて新たな故郷になっていくのかもしれませんね。

4月になると、4年前の熊本地震を思い出します。
皆さんも今一度、地震に対して気を引き締めてください。

参考:国土交通省ホームページ
   内閣府ホームページ
   気象庁ホームページ
   東京消防庁「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」