ウッドピタの地震防災コラム

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防災2018年8月9日

ペットの地震対策   犬・猫との同行避難のために

ペットの地震対策

こんにちは。
皆さんの家では、ペットを飼っていますか?
ペットを飼っている、もしくは、これから飼う予定があるという人は必見。
今回のコラムは、ペットの防災対策についてです。
地震などの災害に備えて、犬や猫の飼い主はどんなことに気を付けておくべきか。
政府のガイドラインなどをもとにまとめていきます。

目次:

↓ 東日本大震災を教訓に 政府のペット防災ガイドライン

↓ ペットのために必要なしつけと準備しておくもの

↓ 地震発生!ペットとの同行避難でのマナー

↓ ペットの地震対策 犬・猫との同行避難のために・まとめ

東日本大震災を教訓に 政府のペット防災ガイドライン

2011年の東日本大震災で浮き彫りになったのが、放浪動物の問題でした。
地震や津波、避難の際の混乱で、飼い主と離ればなれになったペットが
逃げ出したり、そのまま衰弱・死亡したりするケースが多発したのです。
また、飼い主と一緒に避難できたペットについても、
避難所の中でトラブルの原因となってしまうことが多々ありました。
環境省はこうした経験から、動物愛護の観点のみならず、
住民の安全や公衆衛生保全のためにも、
2013年に『災害時におけるペットの救護対策ガイドライン』を策定。
災害時は飼い主がペットと同行避難することを原則とし、
日頃から災害に備えたしつけ健康管理を徹底するよう呼びかけるようになりました。

ペットのために必要なしつけと準備しておくもの

それではガイドラインから、地震などの災害に備えたペットのしつけと健康管理の例をご紹介します。
これらは災害が起こった際、ペットが飼い主とスムーズに同行避難するための備えであり、
避難所で人とペットの居住区が分けられた時などにも安全・安心に過ごすための備えです。

犬の場合

犬の場合イメージ

●「待て」「おいで」「お座り」「伏せ」などの基本的なしつけを行う。
● ケージ等の中に入ることを嫌がらないように、日頃から慣らしておく。
● 不必要に吠えないようしつけを行う。
● 人や他の動物を怖がったり攻撃的にならないようにしておく。
● 決められた場所で排泄ができるようにしておく。
● 狂犬病予防接種などの各種ワクチン接種を行う。
● 犬フィラリア症など寄生虫の予防、駆除を行う。
● 不妊・去勢手術を行う。

猫の場合

猫の場合 イメージ

● ケージやキャリーバッグに入ることを嫌がらないように、日頃から慣らしておく。
● 人や他の動物を怖がったり攻撃的にならないようにしておく。
● 決められた場所で排泄ができるようにしておく。
● 各種ワクチン接種を行う。
● 寄生虫の予防、駆除を行う。
● 不妊・去勢手術を行う。

またガイドラインでは、やむを得ずペットを残して避難したり、
ペットとはぐれてしまったりすることを想定して、
首輪迷子札マイクロチップを装着しておくことを奨励しています。
マイクロチップは、動物病院等で専用の注射器を用いて犬や猫の皮膚の下に埋め込みます。
チップには15桁の番号が記録されており、一度装着すれば半永久的に識別が可能なので
ペットが迷子になった際に容易に身元を特定することができます。

つづいて、ペットのために準備しておく物についてです。
以下がそのリストです。ご覧ください。

◎ペット用の備蓄品と持ち出す際の優先順位の例

常備品と飼い主やペットの情報
常備品と飼い主やペットの情報

● 療法食、薬
● フード、水(少なくとも5日分[できれば 7 日分以上が望ましい])  
● 予備の首輪、リード(伸びないもの)
● 食器
● ガムテープ(ケージの補修など多用途に使用可能)
● 飼い主の連絡先とペットに関する飼い主以外の緊急連絡先・預かり先などの情報
● ペットの写真(携帯電話に画像を保存することも有効)
● ワクチン接種状況、既往症、健康状態、かかりつけの動物病院などの情報

ペット用品
ペット用品

● ペットシーツ
● 排泄物の処理用具
●トイレ用品(猫の場合は使い慣れたトイレ砂)
● タオル、ブラシ
● おもちゃ
● 洗濯ネット(猫の場合)など

備蓄品には優先順位を付け、優先度の高いものは
避難時にすぐに持ち出せるように人の避難用品と一緒に保管します。
避難所によってはペット向けの物資が届くまでに時間がかかることもあるので
最低限のものは各家庭で揃えておくようにしましょう。

また、住居の安全対策も併せて確認し、家具の転倒や、物の落下によりペットがケガをしてしまうことを防ぎましょう。
ペットを屋外で飼っている場合は、ブロック塀など倒壊する恐れのあるものが近くにないか注意してください。

地震発生!ペットとの同行避難でのマナー

いざ地震が発生したら、まず自分の身の安全を第一としながら
落ち着いてペットの安全を確保するようにしましょう。
突然の災害でペットもパニックになり、いつもと違う行動をとることがあります。
ペットを落ち着かせ、逃げ出したりさせないように気をつけましょう。
落ち着いたらリードをつけ、ケージに入れるのがオススメです。

避難所や仮設住宅では、管理責任者にペット同行の旨を確認したうえで
ペットの管理を飼い主の責任で行います。
エサやトイレの始末など衛生的な管理を行うとともに、
飼い主同士で周りの人に配慮したルールを作ることも必要です。
また、ペットはストレスで体調を崩したり、病気になったりしやすくなるため、
飼い主はペットの体調に気を配り、不安を取り除いてあげるようにしてください。

ペットの地震対策 犬・猫との同行避難のために・まとめ

人間だけでの避難と同様に、ペットとの同行避難についても
安全な避難経路をあらかじめ確認しておくことがとても大切です。
自治体の防災計画や広報誌などで避難所の場所やルートを調べておきましょう。
その時、実際にペットを連れて避難所まで行ってみるのがオススメです。
所要時間や危険な場所をチェックしておくことでいざという時、より安全に避難できます。
また、管轄の自治体に避難所へペットを連れて行く際の注意事項を確認しておくことも重要です。
ペットは大切な家族の一員です。日頃から防災対策を行い、
災害時に守ってあげられるよう、しっかりと準備しておきましょう!
私たちウッドピタも住宅の耐震補強を通じて、
人も動物も安心して過ごせる環境づくりに引き続き取り組んでまいります。



参考:環境省「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」