目次:
↓ 1.17を忘れない…「震災後20年」追悼行事が過去最多件数に
↓ 震災写真を一般公開し「二次利用」可能に。神戸市が本気の取り組み
↓ 私たちにできる復興活動は、震災を「知ること」と「伝えること」
こんにちは。
今日は2015年1月15日。早いもので、あの日からもう20年が経過しようとしています。
そう、20年前の1995年1月17日、午前5時46分52秒、戦後初となる大都市直下型地震「阪神・淡路大震災」が発生しました。
正式名称は「兵庫県南部地震」。
その時私はまだ小学生で、実家がある富山県にいました。
富山県は震度3。早朝でまだ寝ていた私は地震の揺れで飛び起きました。
震度3といえど、子供の私にとってその揺れはかなり大きく感じられました。
そして、少しずつ被害状況が明らかになっていく中、テレビで高速道路が倒れている映像を見て衝撃を受けたのを覚えています。
たくさんの建物の倒壊や、そこへ広がっていく火災の様子を映し出した映像はとても衝撃的で、20年経った今でも鮮明に覚えています。
最大震度7を計測した阪神・淡路大震災の被害状況まとめ
直阪神・淡路大震災の震源地は、淡路島北部(北緯34度36分、東経135度02分)、深さ16kmを震央とする活断層で、マグニチュード7.3、震度は最大7を観測しました。
以下、兵庫県が発表した”あまりにも壮絶な”被害状況です。
阪神・淡路大震災の被害状況(平成18年5月19日確定)
●死亡者/6,434人
※H7.1~6月の死因では、窒息・圧死が77.0%、年齢別では65歳以上が43.7%を占める(厚生省調べ)
●行方不明者/3人
●負傷者/43,792人
●住家被害/639,686棟
※うち、全壊104,004棟(182,751世帯)、半壊136,952棟(256,857世帯)
●焼損棟数/7,574棟
※うち、全焼7,035棟、半焼89棟
●避難者数(ピーク時:H7.1.23)/316,678人・1,153カ所
被害は上記のような「直接的なもの」だけではなく、震災によるトラウマやPTSD(心的外傷後ストレス障害)といったこころの被災、学校教育機能の低下、雇用の不安定、経済への深刻な影響など、目に見えない被害も多方面にもたらされています。
人、建築物、ライフラインを瞬く間に傷つけ、市民に甚大な被害をもたらした阪神・淡路大震災の被害総額はなんと約10兆円(平成7年4月5日推計)。
「人類の文明が始まってから史上最大の都市直下型地震」とも言われており、この大地震が日本の都市基盤の脆弱性、そして戦後の近代都市が抱える問題を顕在化させる大きなきっかけとなったことは言うまでもありません。
1.17を忘れない…「震災後20年」追悼行事が過去最多件数に
そんな大震災が起きてから間もなく20年。
つまり、現在二十歳未満の人は、あの震災を全く知らない、体験していないということになります。
私たち市民は、南海トラフ巨大地震など今後予想される大地震に備える上でも、阪神・淡路大震災の記憶を風化させることなく、この地震で得た教訓を発信し続けることが大切です。民間団体「市民による追悼行事を考える会」の調べによると、震災20年に合わせた市民追悼行事は過去最多の108件(行政主催ではない民間の追悼行事数)になるとのこと。
犠牲者の追悼をはじめ、東日本大震災被災地への祈念、南海トラフ巨大地震への備えといった取り組みが多くを占めています。
震災20年に寄せる被災者・体験者の強い思いが感じられます。
震災写真を一般公開し「二次利用」可能に。神戸市が本気の取り組み
こうした中、行政である「神戸市」も、震災情報の発信に非常に積極的に取り組んでいます。2014年10月には、神戸からメッセージを発信する特設サイト「世界に知ってほしい、あたらしい神戸をつくっている人の話」を起ち上げました。
震災をきっかけに活動をはじめた人たちや地震の専門家のインタビュー、そして震災にまつわるアンケートの集計結果が随時アップされています。
アンケートの中には「1995年1月16日に時を戻せたらどんな準備をしますか?」など、非常に興味深いものも見られました。
>>>特設サイトURL(http://1995kobe20th.jp/)
また、2014年12月には、震災の記録写真をダウンロードし、自由に2次利用できるウェブサイト「阪神・淡路大震災『1・17の記録』」を公開しました。
神戸市「神戸アーカイブ写真館」(神戸市長田区)が保存している震災関連の写真のうち約1千枚を公開中で、このブログに掲載している写真も実はそちらからダウンロードしたものになります。
震災当時の話をするにしても、写真があることでリアリティーが大きく増しますよね。
今後は防災学習の資料やポスター、Web、アプリなどへの利用を想定しているそうです。
>>>阪神・淡路大震災『1・17の記録』」(http://kobe117shinsai.jp/)
また、神戸新聞の20年特集も大変興味深い内容となっています。
ニュース、年表、データなど様々なコンテンツがある中で、もっとも目を引いたのが『震災の前日』というコンテンツ。
あの日の前日に何をしていたかを投稿・閲覧できるページです。
多くの方が興味深いメッセージを発信されており、「大地震は突然やって来る」という恐怖と緊張感をあらためて感じさせられました。
>>>神戸新聞(http://www.kobe-np.co.jp/rentoku/sinsai/)
私たちにできる復興活動は、震災を「知ること」と「伝えること」
2013年11月、ひょうご安全の日推進県民会議が策定した「阪神・淡路大震災20周年事業基本方針」の中で、次のような文面がありました。
私たちは、阪神・淡路大震災を忘れない、忘れてはならない。
阪神・淡路大震災は、あまりに無防備だった私たちに未曽有の悲しみを与えた。
私たちは、被災者となって、また、被災者を支援して、多くのものを得た。
幾多の困難を乗り越えた創造的復興は、私たち自らの実践だけで成し遂げたものではない。その過程では、国内外の多くの人々の知恵や志をいただいた。
こうした得られたものは、いま、ふるさと兵庫に累々と蓄えられている。
(以上「基本コンセプト」の前文より一部引用)
神戸市の死者数は4,564人で、全死者数の71%にのぼり、あの震災で最も大きな被害を受けた市です。
都市型地震の真の恐ろしさを知る神戸市だからこそ、地域や世代を超えて大震災の経験と教訓を伝え続ける活動に積極的に取り組み、強い意志をもって復興活動を推進していくことができるのでしょう。
弊社ウッドピタも地震や防災に直結した一企業市民として、今後も地震にまつわる情報や防災に役立つ情報を随時発信していきたいと思っています。
この「ウッドピタ地震コラム」が、その一翼を担うことができたら…。
というわけで、地震のこと、耐震のこと、工事のこと、もっともっとみんなで考えていきましょう!
参考資料
阪神・淡路大震災の復旧・復興の状況について(平成26年1月 兵庫県)
阪神・淡路大震災 20周年事業基本方針(平成25年11月 ひょうご安全の日推進県民会議)