みなさん、こんにちは!
今回で4回目の登場となります、
ウッドピタ事業本部 東日本エリアの小池です。
桜の季節も終わり、暦では「清明」と言うようですね。
すべてのものが清らかで、生き生きとする頃との事だそうです。
私も首都圏に住んで、はや3年が経ちました。
月日が過ぎるのは、本当に早いものです。
ところで皆さん、休みの日には何をされていますか?
私は、よく散歩に出かけます。
最近は暖かくなり始めましたので、外に出るのはとても気持ちがいいですね。
今回は以前に散歩をした2つの地区を通して、
東京という街を少しご案内させていただければと思います。
散歩は、いつも同じ場所ではつまらないものです。
できればよく分からない場所に行ってみて、少し迷ったりして、
ちょっとした冒険感覚を味わうものが好きなのです。
それでは1か所目、京島(きょうじま)地区を紹介させていただきます。
あまり聞き慣れない地名かも知れませんが、
向島界隈と言った方が、ピンとくるのでしょうか。
墨田川と荒川に挟まれた地域で、昔からの東京を色濃く残す下町です。
その向島界隈の中でも、良くも悪くも情緒ある風情を残している地区、
それが京島なのです。
この地区を歩いていると、どの方角を歩いているのかさえ分からなくなります。
時には行き止まりになっていたりもするのです。
そのような時には、
「あれ、こんなところに来るはずではなかったのに、何で間違えたのだろう。」
というような顔をして、さりげなく引き返します。
ちょっとした気まずさもあるのですが、誰かに見られたりした時には、
不審者に見られない様に工夫しているのです。
京島は、いわゆる「木造住宅密集市街地」と言われるところなのです。
この地区では道路幅であるとか、建物の建ぺい率・容積率の問題で建築基準法に
違反している建物がとても多いという事が、一目で分かります。
その為、一度建物を解体してしまうと二度と同じような建物は建築できません。
また、敷地に建物が建っていると土地の固定資産税が1/6になるという
メリットもありますから、どのような建物でもとりあえず残しておこう
という考えになってしまいます。
その様な状況ですから、自然に住んでいない建物が多くなるのです。
社会的な状況が予想のできない風景を生み出し、
哀愁を感じさせる、その様な街なのです。
防災面では、このような木造住宅密集市街地は多くの問題を抱えています。
大地震などの災害時には、大規模な火災にも発展する危険性があります。
また、建物が倒壊してし道路を塞いでしまうと、緊急車両の通行の妨げとなり
救助に向かえない、消火活動が行えないなど、被害の拡大につながる恐れがあるのです。
一方で、もう一つの散歩エリア、京島地区とは正反対である豊洲地区を
紹介させていただきます。
豊洲はタワーマンションが続々と建設され、家族世帯が次々と入居、
人口は10年でおよそ3倍に急増しています。
地下鉄の便もよく、中にはショッピングセンター(LaLaport)とマンションが
地下で直結なんていうところもあったりして、とても快適な都市生活が
できる場所として、今もっとも注目を浴びている地区なのです。
都市のインフラも、今後ますます整備されて行くでしょう。
広い空地も残されていて、東京においては数少ない開発余地のある地区なのです。
しかし歩いていると人工的過ぎて、どこか不安定さを感じてしまうのは、
私だけなのでしょうか。
開発規模があまりにも大きく、スケールが人間の尺度(ヒューマンスケール)を
大幅に超えている事が原因ではないかと思います。
人間というものは複雑なもので、狭ければ狭いで不満を感じるし、
広ければ広いで何か物足りなさを感じるのかもしれません。
東京という都市は、わずか数㎞でこのような地区が混在しています。
皆さんも歩いて、感じてみてはいかがでしょうか。
とても面白いですよ。
東京は日本の縮図です。
京島では、急速な高齢化がすでに始まっています。
今後、私達に何ができるのか、考えている時間はそんなに多くは無さそうです。
ウッドピタ スタッフ 小池