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ウッドピタスタッフブログ

2014年11月19日

耐震視察レポート~名古屋大学「減災館」その②~

みなさん、こんにちは!
ウッドピタ事業部 中日本事業部の鷺坂(さぎさか)です。
今回も、前回に引き続き、名古屋大学の「減災館」を視察した際のレポートを記します。

減災館フロアー図

▲減災館1階フロアマップ

【トピック3】床面空中写真
1階中央の床面には、名古屋市を一望する直径6mの空中写真があります。
航空写真をつなぎあわせ、6000分の1の縮尺で統合したものだそうです。
自分の住んでいる街を俯瞰することにより、街や地形がどうなっているかを理解することも
防災・減災には重要だという意図があるそうです。
写真は、ちょうどその床面空中写真の上で、来場された団体さんが記念撮影をしているところで、
なんともほほえましいシーンです。

IMG_1351

【トピック4】長周期地震動再現装置「BiCURI」の実演(1日1回)
これは地上30階建てのビルのフロアーを想定し、長周期の振動を受けて
どれだけ揺れるのかを体験する実演装置です。

※「BiCURIとは
 「Bi-directional shaker and Computed Ultra-Response Integration environment」の略で、
 これまで開発してきたシミュレーション技術と長周期の振動台を統合化した
 地震応答体感装置のニックネーム」だそうです。

IMG_1371

コピー機ほどの大きさの装置の台座が、スペースの中央で動くのと同時に、
周囲の壁に映されたフロアーの環境映像もシンクロして、仮想現実の世界を体験する仕組みです。

IMG_3046

動画を見ていただければわかりますが、長周期の振動により建物が揺れて、
窓から見える外の景色は左右に流れ、コピー機が動いたり、
事務ロッカーが倒れたりとかなりの危険な状態が再現されています。


▲装置が作動する様子(動画)

【トピック5】建物自体が実験装置
実は観覧しただけではわからない減災館の最大の特徴は、
建物自体が振動実験装置となっていることです。
この建物には、各種の免震構造や制震システムが組み込まれ、
地震に対応するのはもちろん、それらを意図的に動かすことで振動の実験が
出来るようになっています。

詳しい解説はHPからの引用を掲載します。

減災連携研究センターホームページはこちら

引用———————————————————————————————–

「減災館は、いわば『親亀・子亀』のダブル免震建物になっています。
その子亀に当たるのが、屋上二階の実験室になります。

この実験室の免震装置は、重さを支えている「直動転がり支承」、
揺れる建物を元に戻すための「天然ゴム系積層ゴム」、実際に建物を揺らすための
「アクチュエータ」の3つから構成されています。

建物が、一往復の揺れに要する時間を周期と言いますが、この建物では、
「親亀(減災館全体)」と「子亀」がほぼ同じ周期になるように設計されています。
これにより、例えば、子亀(実験室)を揺らすと、それに合わせて親亀(減災館全体)が
揺れます。「共振」という現象を利用した実験装置と言えます。反対に、地震などで親亀
(減災館全体)が揺れるとそれに合わせて子亀(実験室)が揺れます。
実験室が揺れのエネルギーを吸収することによって、減災館全体の揺れを抑えることが
可能になります。これは、TMDと呼ばれる制振装置になります。

実験室を使って、免震装置の耐久性実験や家具転倒実験、体験者の避難行動実験など、
様々な実験が可能です。さらに減災館全体を使った、地震時行動訓練や免震装置等の
ヘルスモニタリングにも使える可能性があります。
以上のように、揺れ体感や様々な振動実験が可能な、世界初の建物まるごと実験装置が
減災館の特徴です。」
————————————————————————————————–

最後に、

耐震にかかわる仕事をしている身として、今回の視察は刺激になりました。
知っておかねばならない情報や体験はもちろん、常に最新の情報を持っておく
必要性も感じました。
また、耐震補強を検討されるお客様にも、それら関連情報を正しく伝えられるように
努めたいと思います。

ウッドピタスタッフ 鷺坂(さぎさか)
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