みなさん、こんにちは!
ウッドピタ事業部 中日本事業部の鷺坂(さぎさか)です。
今回も、前回に引き続き、名古屋大学の「減災館」を視察した際のレポートを記します。
▲減災館1階フロアマップ
【トピック3】床面空中写真
1階中央の床面には、名古屋市を一望する直径6mの空中写真があります。
航空写真をつなぎあわせ、6000分の1の縮尺で統合したものだそうです。
自分の住んでいる街を俯瞰することにより、街や地形がどうなっているかを理解することも
防災・減災には重要だという意図があるそうです。
写真は、ちょうどその床面空中写真の上で、来場された団体さんが記念撮影をしているところで、
なんともほほえましいシーンです。
【トピック4】長周期地震動再現装置「BiCURI」の実演(1日1回)
これは地上30階建てのビルのフロアーを想定し、長周期の振動を受けて
どれだけ揺れるのかを体験する実演装置です。
※「BiCURIとは
「Bi-directional shaker and Computed Ultra-Response Integration environment」の略で、
これまで開発してきたシミュレーション技術と長周期の振動台を統合化した
地震応答体感装置のニックネーム」だそうです。
コピー機ほどの大きさの装置の台座が、スペースの中央で動くのと同時に、
周囲の壁に映されたフロアーの環境映像もシンクロして、仮想現実の世界を体験する仕組みです。
動画を見ていただければわかりますが、長周期の振動により建物が揺れて、
窓から見える外の景色は左右に流れ、コピー機が動いたり、
事務ロッカーが倒れたりとかなりの危険な状態が再現されています。
▲装置が作動する様子(動画)
【トピック5】建物自体が実験装置
実は観覧しただけではわからない減災館の最大の特徴は、
建物自体が振動実験装置となっていることです。
この建物には、各種の免震構造や制震システムが組み込まれ、
地震に対応するのはもちろん、それらを意図的に動かすことで振動の実験が
出来るようになっています。
詳しい解説はHPからの引用を掲載します。
引用———————————————————————————————–
「減災館は、いわば『親亀・子亀』のダブル免震建物になっています。
その子亀に当たるのが、屋上二階の実験室になります。
この実験室の免震装置は、重さを支えている「直動転がり支承」、
揺れる建物を元に戻すための「天然ゴム系積層ゴム」、実際に建物を揺らすための
「アクチュエータ」の3つから構成されています。
建物が、一往復の揺れに要する時間を周期と言いますが、この建物では、
「親亀(減災館全体)」と「子亀」がほぼ同じ周期になるように設計されています。
これにより、例えば、子亀(実験室)を揺らすと、それに合わせて親亀(減災館全体)が
揺れます。「共振」という現象を利用した実験装置と言えます。反対に、地震などで親亀
(減災館全体)が揺れるとそれに合わせて子亀(実験室)が揺れます。
実験室が揺れのエネルギーを吸収することによって、減災館全体の揺れを抑えることが
可能になります。これは、TMDと呼ばれる制振装置になります。
実験室を使って、免震装置の耐久性実験や家具転倒実験、体験者の避難行動実験など、
様々な実験が可能です。さらに減災館全体を使った、地震時行動訓練や免震装置等の
ヘルスモニタリングにも使える可能性があります。
以上のように、揺れ体感や様々な振動実験が可能な、世界初の建物まるごと実験装置が
減災館の特徴です。」
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最後に、
耐震にかかわる仕事をしている身として、今回の視察は刺激になりました。
知っておかねばならない情報や体験はもちろん、常に最新の情報を持っておく
必要性も感じました。
また、耐震補強を検討されるお客様にも、それら関連情報を正しく伝えられるように
努めたいと思います。
ウッドピタスタッフ 鷺坂(さぎさか)
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